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心と体、その土台は生活習慣によって築かれます

2024.02.05

何んとなく冴えない、気持ちが沈む、イライラしてしまう。このような状態は、「メンタルヘルスの不調」や「心の問題」そして「精神障害」というように捉えられがちです。その要因を探るときに、対人関係におけるストレスなどが筆頭に挙げられますが、それだけとは言いきれないようなデータが数年前に発表されています。国が「4大疾病」と位置付けて重点的に対策に取り組んできた、がん、脳卒中、心臓病、糖尿病に「精神疾患」が加えられて5大疾病とされたのが2011年。先の4つの疾患は、生活習慣病と呼ばれてきましたが、精神疾患もまた生活習慣と密接な関係にあることがわかってきました。

国内において、感染症以外の外因による死亡に関連する危険因子は、喫煙、高血圧、運動不足、食塩摂取、飲酒とされてきました(身に覚えのある方には耳の痛い話ですね)。その後様々な研究によって、例えば高血圧の「正常値」や、食塩の「一日摂取量の目安」が万人に当てはまるものではないことはわかってきています。とはいえ、高すぎる血圧は身体に負担をかけますし、食塩の摂りすぎ、特に精製された食塩の摂りすぎも同じく身体に良い影響を与えません。運動不足も飲酒も危険因子であることは、今でも否定しようのない事実です。こうした危険因子に加え、糖質や脂肪の摂取過多、タンパク質不足など食習慣が引き金になっている因子や睡眠不足の影響なども指摘され、多くの疾患につながっているのが現状です。

生活習慣病として代表的なものは、糖尿病、高血圧症、脳卒中、心臓病、痛風、高コレステロール血症、骨粗鬆症など多岐にわたります。実は、こうした生活習慣病のいくつかが精神障害者にもよく見られることから、精神障害と生活習慣病との関りは深く、それゆえ精神障害も個々の生活習慣と密接な関係があると認識されるようになってきたということなのです。その関係性は、①同一の生活習慣によって生活習慣病と精神障害をきたしている②精神障害に罹患することで生活習慣が変容し、その結果として生活習慣病に陥る③生活習慣病によって、直接精神疾患に陥る、といった双方向からであることが指摘されています(出典:忽滑谷和孝.生活習慣病とメンタルヘルス.日本職業・災害医学会誌62(5).2014)。

普段の生活において、憂うつな気分が続いたり、イラついたり怒りっぽくなったりといったストレス状態が続くのであれば、周囲の環境要因だけでなく日頃の生活習慣を見直してみましょう。その状況に陥ったストレッサー(ストレス状態になった原因)は対人関係や職場環境など自分の周りから受けるものばかりではありません。今のストレス状態を自分自身で作り上げていないか、時に振り返ってほしいのです。自分の生活習慣が自身を傷つけていないか、まずは振り返って気づく。これが肝要なのです。

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