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言葉で伝えるということ

2024.01.28

 ビジネスの現場で報連相する、プレゼンするといった場面で「伝えたい言葉がスーッと出てこない」「話しているうちに何が言いたいかわからなくなってきた」なんてことが起こる。そう自覚している方は少なからずいらっしゃると思います。伝えたいことを言葉で表現する「言語化」は、考えを相手に伝える上で必須なことは言うまでもないことですが、苦手意識が心に浮上するのはよく理解できます。「言語化が苦手な人は、言語化の本質を理解していない」と指摘されるのは言語化のプロである木暮太一さん。著書『すごい言語化「伝わる言葉」が一瞬で見つかる方法』(2023 ダイヤモンド社)に、それこそその本質を言語化してくださっています。

 伝えようとする側は、「どう(How)」伝えるかを気にする。伝えられる側は「なに(What)」を自分に伝えようとしているのかを考える。うまく伝わっていないときというのは、会話の齟齬が起こっているんですね。伝えられる側の人は、伝える側が何を言わんとしているのかを一所懸命探ろうとしているのです。つまり言語化に苦手意識を持っている伝える側は、「どのように伝えるか」に必死になっていることに気づかなければ、なぜ伝わらないのかその要因が理解できないということです。

 ビジネスの現場や家庭内で、伝えなくてはいけない「何か」がある程度わかっているのであれば会話の軌道修正ができ、言語化も比較的容易で「スーッと」言葉が出るようになるでしょう。ところが、自分の心身に「何か」不具合が起こっているとき、その「何か」を表現することは困難を極めることがあります。明らかな痛みやかゆみなどの症状の有無は伝えられますが、その強弱や症状の出ている範囲などは、その症状のある本人の感覚です。伝えられる側は、症状が「ある」ことを理解できますが、その人の「感覚」は想像の域を出ないのです。さらに、気持ちが落ちこんだ時や、ただ、ただ体がだるくて動かないなど、その状況を言葉にできても、なぜそうなのかが自分でもわからないとなると、途端に「言語化」が難しくなります。

さて、どうするか…。そんなときはまず、話をしに来てください。そして、身体が感じていることを思いつく限りの言葉で表現してください。うまく表現する必要はありません。その状況に陥るまでの過程をいろんな方向から思い出し、言語化できるようにお手伝いいたします。言葉で伝わると、解決策を一緒に導き出せるようになります。身体の不具合は、昨日今日生じたことではないことの方が普通ですのでね。自分の身体に起こっていることを伝えるプレゼンは言語化しにくいゆえに、放りっぱなしにしておくと気づいたときに取り返しのつかないことになってしまいます。いつから、どこが、どのように、どのくらい痛むのか、いつから、どのような時に、どんな気分になるのか、等々。表現のしにくい自分自身の身体のことをうまく表現できるようになると、ビジネスの場での理論的なプレゼン表現が豊かになるというおまけもついてきますよ!

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